読む本を選ぶ方法 ―PDCA読書術―

今回は、私が読む本を選ぶ方法について書きたい。本を年に数百冊読む、と他人に告げると、中には「読む本が無くなりませんか?」なんて聞いてくる人もいる。本をちょっとでも読む人ならば解ると思うが、そんな事は決してない。むしろ、生きているうちに、読みたい本を全て読み切るのは到底不可能だ。それほどに、読みたい本は多いし、人生は短い。

さて、私はどのように読む本を選んでいるか。一言でまとめると、私は「PDCA」的に本選びを行っている。以下の様な流れを踏まえて、読む本を選んでいるのだ。

  • Plan(計画):自分が抱えている問題を抽出し、それを解決する本をイメージ
    例) 〇〇の知識が欲しい⇒入門書・教科書・専門書など
    〇〇という問題を解決するヒントが欲しい⇒ビジネス書、心理学の本など
    単純にリラックスしたい⇒小説、エッセイ
  • Do(本を選ぶ・選んだ本を読む)
  • Check(本を読んだ効果を確認)
  • Act(読んだ本の感想・得た学びをメモする、仕事や実生活に活用する)

こんなの当たり前だろ、と思われる方が大半だろう。だが、本を年に数百冊も読む読書家になると、逆にこういう当たり前のことが出来なくなる。読書好きにとって、一冊の本を読むことは大した労力ではない。だから、さして深く考えずに、本屋や図書館で背表紙を眺めながら、何となく面白そう、と思った本を手に取る。そして、何となく読み終わって、「特に何も残らなかったなぁ」などと思いつつ、また次に読む本を適当に手に取る。多読家になるほど、こういう効率の悪い読書生活に陥りやすい。太った人間ほど、大して美味しくもないスナック菓子ばかり食べてしまうようなものだ。

だから、読書が好きだ、という人間ほど、読む本を選ぶ際には慎重になる必要がある。その本は、時間の投資に見合うだけの知識、効果、あるいは楽しみをもたらしてくれるのか。それを判断する「Plan」の段階が最も重要だ。渡部昇一先生や佐藤優先生、立花隆先生をはじめとする知の巨人たちの誰もが「本は身銭を切って買え」というのは、身銭を切ることで、読む本を選ぶことに慎重になるから、という側面もあるだろう。

ただ、100発100中で面白い本、役に立つ本を引き当てることは無理だ。他人にオススメできるレベルの本に出合うのは、慎重に選んだところで、10冊読んで1~2冊といったところだろう。はじめて読む本に出合ったら、一回目は、1~2時間でざっと読み、その本の良し悪しを判断する。良いと感じた本は、折に触れて読み直し、その内容を自分の血肉とする。そんな流れが効率的かもしれない。

あとは、自分の抱える問題をリストアップしておくことも有効だ。例えば、「〇〇さんとの話題に困る」という悩みがリストにあったら、「〇〇さんの趣味であるワインに関する本を読もう」といった風に、問題解決に即した本をピックアップすることが可能となる。

まとめると、読む本・買う本を安易に選ばずに、「その本を読むことは、自分が抱えている問題を解決するのに役立つか」をじっくり考えた上で、読む/読まないの判断を下すことが重要だ (じっくり考える代わりに、速読でざっと目を通してみるのも良い)。

 

余談だが、前回更新日(4/3)から読んだ7冊の本を以下にリストアップしておく。

数学入門 (ちくま新書)

数学入門 (ちくま新書)

 

高校数学を教える先生には、無理矢理読ませたい一冊。しかし、自分の先生がこの本を読んでいるとは限らない、というか読んでいない可能性の方が圧倒的に高いから、数学を学ぶ高校生にも、自分で読んでおくことをオススメしたい。

岩崎弥太郎と三菱四代

岩崎弥太郎と三菱四代

 

確か佐藤智恵著『ハーバード日本史教室』に書いてあった事だが、三菱財閥の創業者 岩崎弥太郎は、海外の大学生に人気がある日本人の一人らしい。彼ら彼女らは「日本にもこんなに起業家精神にあふれた人間がいたのか」と驚くらしい。褒められているのか、それとも舐められているのか、と複雑な心境である。

山田ズーニー先生の本は、昔ながらの日本企業・日本社会で生き抜くための教科書だ。企業・社会の常識にフィットしない私のような人間にとっては、耳の痛い話ばかりだった。「こういう事が出来ないからダメなんだよなぁ」と反省するばかりだ。

自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう

 

たとえインプットが限られていたとしても、"自分の頭で考えて"アウトプットすることで大きな成果を生み出せることが分かる。私自身「インプットだけの馬鹿」タイプだから、もっと自分の頭で考える時間と精神的余裕を確保せねばならない。

人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白 (新潮文庫)

人を殺すとはどういうことか―長期LB級刑務所・殺人犯の告白 (新潮文庫)

 

終身刑の殺人犯が書いた本。超知的だけれど、明らかにズレている。こんなハンニバル・レクター博士みたいな人間がリアルに存在していたことが衝撃だ。 

発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術

発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術

 

私自身、発達障害のグレーゾーンにいると自認している。この本を読むと分かるのは、「工夫」と「休息」の大切さだ。発達障害の人こそ、一般人以上に、ライフハックやツールを有効活用していく必要がある。長期的に生き抜くには、試行錯誤が必須だ。発達障害の人は、休日に「完全に休む訳でもなく、仕事をする訳でもない。だから月曜日の朝には、疲れも取れていないし、何の進捗も無い。そのことに焦って絶望する」とあった。私の事を言っているのか、と思うほどに共感した。