山田詠美『僕は勉強ができない』VS 竹中平蔵『竹中式マトリクス式勉強法』

山田詠美の代表作『僕は勉強ができない』を読んだことがあるだろうか?私は数年前に読んだ。衝撃的に面白い小説だった。しかし、このタイトルだけは、ずっと腑に落ちなかった。主人公の時田秀美は、確かに"試験"勉強はできない。けれども、口は上手いし、地頭は良い。当然、めちゃくちゃモテる。つまり、"社会"勉強に関しては、時田くんは"できる"奴なのだ。『僕は勉強ができない』なんて、とんでもない。

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

ぼくは勉強ができない (新潮文庫)

 

「勉強」というと、試験勉強ばかり連想してしまいがちだ。だが、勉強とは、もっと幅広いものだ。試験勉強は、一つの側面に過ぎない。竹中平蔵著『竹中式マトリクス勉強法』では、二つの軸に沿って、「勉強」を以下の四種類に大別している。

  1. 「上限がある」&「武器としての勉強」=「記憶勉強」
    (社内試験、資格試験、TOEIC、入学試験...等)
  2. 「上限が無い」&「武器としての勉強」=「仕事勉強」
    (経済学、金融工学、英会話...等)
  3. 「上限がある」&「人と人を結ぶ勉強」=「趣味勉強」
    (茶道、武道の資格、ダイビングのライセンス、趣味の検定...等)
  4. 「上限が無い」&「人と人を結ぶ勉強」=「人生勉強」
    (教養や人間力を高める勉強、古典、音楽)

竹中式マトリクスについて、私見を述べるとすると、1と3の「上限がある勉強」の重要性は、ますます低下していくと思う。例えば、「医師免許」は、持っていれば一生食える最高峰の資格だろう。しかし、この「最高峰の資格」でさえ、医療用ロボットが発達すれば、価値が低下するだろう。3の「趣味としての資格」はもちろん、1の「武器としての資格」も含め、資格の価値は総じて低下するだろう。

だから、現代の学生・ビジネスマンは、2の「仕事勉強」そして4の「人生勉強」の二つに注力すればいい。竹中式マトリクスに沿って考えれば、『僕は勉強ができない』の時田くんは、1の記憶勉強は確かに"できない"けれど、4の人生勉強については"できる"。そして、今や「試験勉強」の価値は低下しつつある。『僕は勉強ができない』の時田くんは、むしろ勉強ができる側の人間なのだ。

竹中式マトリクス勉強法

竹中式マトリクス勉強法