私が抑うつ状態となったのは、働き方改革のせいだと思う

先日、心療内科で「抑うつ状態」と診断された。それで現在、仕事を休職している。抑うつ状態となった原因は明らかに仕事のストレスだ。うつ状態から立ち直った暁には、現在の職場を退職する予定である。私の現在の職場は、いわゆる東証一部上場企業で、それなりの"優良"会社だ。少なくとも30年は、潰れることは無い。辞めなければ、一生安泰。会社を辞める、という決断に眉をひそめる人は多いに違いない。

だが、私にとっては、もう限界だ。人間関係に問題がある、というのも一因だが、それ以上に仕事が退屈すぎる。というか、無駄な仕事が多すぎて、面白い仕事にかける時間とエネルギーが全くない。最近、「働き方改革」の名の下に、どんどん残業がしにくくなっている。これが、完全に逆効果になっている。私は研究職なのだが、残業に対して比較的寛容だった時代には、定時の間は上から命じられた仕事や、つまらないデスクワークをこなし、定時が終わった後には、自分のやりたい研究をとことんやる、という働き方ができた。むしろ、そういうアングラな研究こそが、新しいシーズの創製に重要だろうし、研究者のモチベーション維持にとっても必要だろう。

けれども、働き方改革のおかげで、晴れて残業がなくなったことによって、結局のところ「命じられてやる、つまらない仕事」だけが残ることになった。だがら、仕事が死ぬほどつまらない。むしろ、残業させてほしい。残業代が出なくても構わないから、やりたい仕事をやる余裕がほしい。私のように考えている企業の研究者は多いのではないだろうか。

ちょっと前に読んだ森博嗣著『集中力はいらない』にも、研究のように発想が重要となる仕事においては、「ダラダラやる」ことも大事だ、といったニュアンスのことが書かれていた。まさしく、その通りだと思う。大学院では、毎日12時間くらい研究室に入り浸っていて、土日さえ通っている日もあったが、それは全く苦にならなかった。それは「ダラダラやる」楽しさがあったからだ。そして、ダラダラ実験したり、他のメンバーとぐだぐだと喋ったりしている中で、面白い情報が得られたり、新しいアイデアが浮かんだりすることがあった。そういうのが楽しかったし、有益だった。

もちろん、従来の日本の働き方は、ダラダラと長時間残業していて、とても非効率だった、というのはわかる。だけれども、「働き方改革」が進んだ途端に、今度は一転して、「ダラダラすること=悪」となってしまって、あまりに極端すぎる。もっと各人の好き勝手にやらせればいい、と私は思う。定時内に最低限の仕事を終わらせてさっさと帰りたい人はそうすればいいし、ダラダラとやりたい人は、ダラダラやればいい。プロセスではなく、結果で評価してほしい。

という訳で、私がうつ状態となったのは、働き方改革のせいだと思う、という話。ちなみに今後については、会社を辞めたら、たぶん海外 (オーストラリアかニュージーランドあたり) に留学・移住する予定だ。もう、日本で働くのは無理。

集中力はいらない (SB新書)

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